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特集

ああ粉ふき芋(4ページ目)

(2013年5月2日)

1ページ目2ページ目3ページ目からの続きです。

教科書の粉ふき芋を求めて

粉ふき芋といえばやはり教科書。たくさんの教科書を所蔵している「教科書図書館」にやってきた。

教科書図書館

今回は戦後の限られた分しか調べられなかったが、小学校6年生の家庭科教科書を見ていきたい。

教科書図書館

昭和36年の粉ふき芋

時代がいきなり下ってしまうが、昭和36~40年にかけて使用された教育図書社の『たのしい家庭 6年』[27]を見てみる。粉ふき芋は既にしっかりと載っていた。

『たのしい家庭 6年』表紙

調理実習のメニューは「ごはんとみそしるとおろしあえ」、そして「目玉焼きと粉ふきいも」である。「目玉焼きと粉ふきいも」の説明を引用してみよう。

目玉焼きと粉ふきいもは,ごはんにも,パンにもよくあう,おいしい料理です。新しいたまごを選んで,作りましょう[28]

『楽しい家庭 6年』より

じゃがいもは「3cm角ぐらいに切る」とあり、「もりつけかた・いただきかた」の部分には、このように記されている。

①大きめのさらを用意して,目玉焼きを手前に,粉ふきいもを向こう側に,形よくもる。パセリか,キャベツのせん切りをそえるとよい。
②食べかたは,はし,または,フォークを使って,目玉焼きのきみを,なるべくこわさないように食べる[29]

と、盛りつけ方、食べ方の指示が詳細である。目玉焼きの黄身をこわさないで食べるのは結構難しい。

『小学家庭 6』表紙

同じく昭和36年から使用されている教科書、開隆堂の『小学家庭 6』でも、メニューは「こふきいもと目玉焼」である[30]

『小学家庭 6』より

このころには既に目玉焼きと粉ふき芋の組み合わせが定番となっていたようであり、同時期の中教出版版、東京書籍版などでも、目玉焼きと粉ふき芋のコンビが確認できた[31]。その後も、このコンビの時代が続く。

昭和52年の粉ふき芋

『新編 新しい家庭 6』表紙

さらに時代は下って、昭和52年に発行された『新編 新しい家庭 6』[32]を見てみても、目玉焼きと粉ふき芋のコンビは健在であった。

『新編 新しい家庭 6』より
二色刷でイラストも入り分かりやすくなっている

粉ふき芋の説明は以下のような感じである。

 じゃがいもには,米などと同じように,でんぷんがたくさんふくまれている。ビタミンCもふくまれている。じゃがいものビタミンCは熱によってこわされることが少ない。
 じょうずにこをふかせるためには,こをふきやすい種類のいもを使うとよい。
 ゆでるときに使うなべは,熱の伝わりやすいアルマイトやアルミニウム製の,深いものがよい[33]

「こをふきやすい種類のいもを使うとよい」と書きつつ、その種類を教えてくれないところ、また、アルミ鍋を勧めているところが特徴的だろうか。

そしてもう一つ、「参考例」としてポテトサラダが登場する[34]ところも見落とせない。

『新編 新しい家庭 6』表紙

あくまで粉ふき芋が主、ポテトサラダは従という扱いだが、教科書の内容が少しずつ変化してきていることが判る。時代の変化とでも言うのだろうか。

時代は平成へ

最後に、平成の教科書に載った粉ふき芋と今に至る過程を見ていきたいと思う。目玉焼きと粉ふき芋のコンビはいつごろ解消されるのだろうか。次ページへどうぞ。

がんばって
…はい。

 

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作成:とね(info アットマーク yuzamashi.net)