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特集

駅の改札「日めくり」めぐり

(2011年4月23日)

中学の英語で思い出すのは、「掘った芋いじったな」。「今何時ですか?」というやつだ。その芋の影にひっそりと、"What day is it today?" ――今日、何曜日ですか?―― という表現もあった。英語で人に聞くような機会はないが、日本語でも、どうだろう。分からなくなったら携帯電話の画面を見てしまうかもしれない。

先日地下鉄の駅で改札を通ったとき、ふと、日付と曜日を掲げた器具があることに気づいた。東京に来てから日が浅いとはいえ、地下鉄には何度も乗っているはずだ。こんなの、あったっけ? 

日めくり器
ひっそりと立っていた

通勤などで日々地下鉄をお使いの方には至極当然なのかもしれない。しかし、どうにも珍しく感じてしまった。この日めくり器(勝手に名付けた)、各駅に備えてあるのだろうか。すべて同じタイプなのか。

はじめて気づいたのは東京メトロの駅だったのだが、その東京メトロだけでも全部回ると139駅あるらしい。そのうち、今回は銀座線と千代田線の駅をめぐって写真を撮ってみた。(日付がまちまちで前後するのはお許し下さい。)

銀座線からスタート

東京メトロ銀座線は昭和2年開通の日本で最も古い地下鉄路線。渋谷から浅草まで、あわせて19の駅がある。全線乗り放題の一日乗車券(¥710)を購入し、渋谷駅からめぐっていこう。

銀座線路線図

渋谷

銀座線の渋谷駅は東急百貨店の三階にある。これがどうにも不思議で、急いでいるときに限って迷ってしまう。階段を上がると券売機と定期券発売窓口、向かいに改札口。そして、窓口の横にひっそりと、あった。

銀座線渋谷駅
あせって写真がぶれる(渋谷駅)

…いきなり違うタイプ。最初に見たものとは違い、自立していない。壁に固定されており、電車やバスの行先表示のように白い幕を裏側から蛍光灯で照らしている。そして、このタイプには「月」の表示があるのだ。

銀座線渋谷駅2
実用本位の無骨さ(渋谷駅)

さて、この調子で次々行こう。自動改札に一日乗車券を通し、次の駅を目指す。ICカードを使うようになってから、切符を使うことも少ない。めぐっている間、ポケットに切符があることを何度も何度も確かめてしまった。

表参道

渋谷の次は表参道。実は、この駅に日めくり器は見当たらなかった(見つけられなかっただけかもしれない)。各改札を見てみたが、このオシャレな雰囲気のどこにも日めくり器はない。改札の横には案内所があり、iPadを持った係員さんが対応されているという。危うし、日めくり器。

表参道駅
柱は光っているが…(表参道駅)

外苑前・青山一丁目

続いて外苑前。神宮球場方面改札に向かうと…

外苑前駅
回りに色が溶け込んでいるが、改札機の左横(外苑前駅)

あった。改札内に茶色いタイプ。結論から言うと、全駅の中でこの茶色いタイプが最も多かった。日付と曜日のみのシンプルな表示の下には絵画展の広告。

外苑前駅
地下の薄暗い写真が続く(外苑前駅)

さらに青山一丁目駅では北青山方面改札(改札内)に同じく茶色いタイプを発見。横にある新生銀行の広告のほうが目立っている。茶色い日めくり器の地味なことよ。

青山一丁目駅
ごみ箱と精算機の間(青山一丁目駅)

赤坂見附・溜池山王

続く赤坂見附駅では、どうも見つけられなかった。今になってみれば定期券売り場の内部を見落としていた可能性もある。

溜池山王駅では、銀座線に近い改札にはどうもないようだ。つながっている国会議事堂前駅に近い改札にはあったが、これは千代田線のところでご紹介する。

溜池山王
エスカレーターからの要求はあった(溜池山王駅)

虎ノ門

続いて虎ノ門駅。虎ノ門方面改札を出るところで、

虎ノ門駅
探してみてください(虎ノ門駅・クリックで拡大)

あった。今度はまた違うタイプだ。大型で柱に寄り添っており、白い本体に青の表示面が映える。こちらも、「月」表示があるようだ。仕組み自体は茶色のものと同じように、発着案内のパタパタのような感じだった。

虎ノ門駅
上の画像でいうと真ん中やや右あたり(虎ノ門駅)

新橋

銀座線路線図 新橋にマーク
現在地はこのあたり

次、新橋駅に到着。改札をまわるも発見できず、ここも無いかと思ったところ…

ミスドの出店
ミスタードーナツの出店に気を取られつつ(新橋駅)
定期券売り場(新橋)
ひっそりと(新橋駅)

定期券売り場の中にあった。そうか、定期券を買おうという人にとって、この日めくり器は重要かもしれない。そして、これが渋谷駅のものと似ているのだ。渋谷駅も定期券窓口の横だったことを考えると、「月」表示があることも含めて、何となくうなづける。

定期券売り場(新橋)
いぶかしがられつつ撮影(新橋駅)

ところが、よく見比べてみると、少し違うようなのだ。渋谷駅にあった日めくり器の書体が細めの丸ゴシックであったのに対し、新橋のこれはもう少しカチっとした角ゴシック。小さい写真では見づらいが、側面には「寄贈 地下鉄互助会」の文字も見える。調べてみると、現在の「メトロ文化財団」の前身組織らしい。鉄道ファンには常識なのかもしれないが、意外にも奥が深い、日めくり器。

次のページでも引き続き銀座線をめぐっていきます。一駅に二つあることもあるのです。

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作成:とね(info アットマーク yuzamashi.net)