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駅そばでユビスマ、ちり紙に煙草 (2015年10月7日)

とある駅のそば屋ではいつも懐メロがかかっている。チェーン店なのだが他でBGMを聞かないので、そこだけ独自にやっているのだと思う。今日はといえば、

…ひとりじゃないって すてきなことね
あなたの肩ごしに 草原もかがやく…

天地真理の歌う「ひとりじゃないの」が流れてきた。一瞬はっとした。駅そばといえば一人で食べる場所の代表格である。もちろん有線か CD でたまたま流れただけで誰も気にしないだろう、誰も気にしないだろうと思うが、それでも周りはみんな一人客で、ものすごいスピードでそばをすするサラリーマンや、対照的にうつむいてゆっくりゆっくりカレーを食べる若い OL が目に入る。この気まずさは何だ。

いや、中に一組だけ大学生の男女がいたが、この二人は熱心に「ユビスマ」に興じているから、聴いていないだろう。ユビスマというのが全国的に知られた遊びかは知らないが、二人でやる指遊びである。二人そろって「いただきます」と声を出して言い、カツ丼を食べていた。

そういう時代だったのだろう、ぜんぶ鼻濁音で歌う天地真理の声をぼんやりと聞く。今は演歌歌手を除くと「いきものがかり」が目立つくらいだろうか。

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こういうぼんやりしたことは書いておかないと当然のように忘れる。忘れても差し支えないが。

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喫煙所で座っていたおじいさんに話しかけられる。煙草を忘れてきたから二本くれないか、50円払うから、という。いやいやいいですよ、どうぞ、お口に合うかどうか、と差し出したら、いいの、悪いね、と言って受け取られた。

いつも半分ずつ吸うんだ、といっておじいさんは火を着けた。もう一本は大事そうにちり紙に包んでいる。いつもは何(銘柄)ですか、と訊くと、うん、あれだ、あの、ハイライト。

涼しくなってきましたね、などとぽつぽつ話し、きっちり半分吸ったところで彼は火を消し、残りをまたちり紙に包んだ。

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近所のホームセンターの値札に「チリシ」と書いてあった。子供のころから「ちりがみ」で育った者としては新鮮であった。年代によるのか地域によるのかは知らない。だから今日は全部「ちりし」で入力して変換してみている。もちろん変換できる。

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しかしおじいさんの用意の良さに気付いたのはあとからだ。僕はあまりにぼんやりしている。ライターは持っている(火を渡そうとしたらもう着けていた)。くるむためのちり紙も畳んで持っている。近くにコンビニもいくつかある。ハイライトなら売っているだろう。

だから純粋に「もらい煙草をする」という行為をしようとしていたわけだ。ただ座って、誰かが来るのを待ちながら。

 

ポン (2015年10月11日)

三軒茶屋で御輿がねり歩いていた。ワッショイワッショイを聞きながら強そうな男の尻が踊るのをぼんやりと見る。警察官がだるそうに誘導棒を持って車をどかせている。私を含めてたまたま遭遇した人達が普段着でちらちら見ては関係ないような顔をして通り過ぎる。東京の祭りという感じである。

外国の方は興味津々だ。写真を撮る人もいる。西洋言語で御輿はどう訳すのだろう。miniature shrineだろうか。そんな適当な訳ではないか。ローマ字でmikoshiとするのが定石だろうか。それとも輿だからride for godとかになるのだろうか。

Google 翻訳に突っ込んでみたら“portable shrine”と出てきた。ポータブル神社。

なぜか小さいプラスチックコップでワインが配られているようだった。日本酒や甘酒ではない。しゃれているのかどうなのか。その感じが「しゃれなあど」という名前と通じる気がする(分かっていただけるでしょうか)。

帰りの世田谷線ではその試飲コップを持った母親が高校生くらいの娘さんに飲ませようとして「いい」と言われていた。

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ホームセンターやショッピングモールで「ガラポン抽選会」をやっていることが多いが、あの「ガラポン」という名前の幼い感じ(ちょっと恥ずかしい感じ)は何だ。「ポン」というひびきには、そういう、自分で発音するのがすこし恥ずかしいような、擬音的なものがある気がする。「すっぽん」はまだ大丈夫だが「すっぽんぽん」はだめだ。「ポン酢」は言えるがゆずの香りのポン酢を「ゆずポン」と略すのは恥ずかしい。「ポン引き」なんてのも「パン助」などと同じく自分で言うのがはばかられる。

お腹のことを「ぽんぽん」というような感じと言えばいいだろうか。

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高校を出てから初めて知る言葉というのがあるように思う。「ポン酒」なんてのもその一つだろうか。

それではまた。 …草々頓首。

 

否定 (2015年10月20日)

全く使っていない「ひかり電話」の番号がある。古いファックス電話を繋いでいたが感熱紙だしやめようと思ってリサイクルショップで安い中古の子機だけの電話を物色した。

店員さんが付属品を出してきてくれる。なんと子機がもう一台あるのだ。なんでこの狭いアパートで子機が二台要るのか分からないがお得だ(!)と何となく思ってそのまま買った。今、子機を二台横に並べている。まあ要らない。そもそも「ひかり電話」の番号が要らない。携帯電話で用は足りている。

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スマートホンだと字下げは見づらいのでやめて、段落間のアキを増やした。

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これは駐車場にあった貼り紙。

ノンアスベスト

なんとなくもやもやする。「アスベストを使用しておりません」と書いて欲しい気がするが、書けない事情があるのか。もしくはノンアスベストの建材というふうに書きたい技術者のこだわりのようなものがあるのか。否定の係かり方。

いっぽうこちらは「ありません」。なぜ看板で「ありません」と書いてしまうのか。書かなくてもいいではないかと思ってしまうが、これも何か事情があるのかもしれない。

ノンアスベスト

いや、別の面にはこのように「ある」ものが並べ立ててあるのだが、それでも「ありません」の面だけ見ると妙だし、数あわせのためかポツ(・)が余計にあるのも気になる。

ノンアスベスト

久しぶりに写真を載せたと思えばこんなものである。

 

ポコちゃん (2015年10月21日)

前を走っていた単車のナンバーが何となく気になった。妙なのだ。よく見ると「京都」ナンバーの「京」の字の前に「東」をむりやり手書きで書いて「東京都」ナンバーにしている。もちろん「東京都」ナンバーなどない。「練馬」とか「品川」とか「多摩」とかだろう。マジックで書いたのだろう字がへろへろなのも気になった。冗談なのか本気なのか分からない。

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東京都というのは、よく考えると分からない言葉ではある。昔は「東京府」か。

明治10年代くらいまでは「トウケイ」という読み方も結構多かったそうだ。ラジオもないわけだから読みの統一は遅れただろう。「京」の字の真ん中の「口」が「日」になっているやつもよく使われている。

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一方、包茎というのも昔の医学書などでは「ホウキョウ」と読んでいたようなことを見た記憶がある(うろおぼえ)。豊胸と包茎が同じなのは美容整形商法の因果を感じますな。

しかし英語でuncutというと「ノーカット版!」のような響きもある気がする。

いきなりポコチンの話題で申し訳ない。ロリポップ(レンタルサーバー屋)から怒られるかもしれない。

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申し訳ないなどと言っていながら、最初の短信がエロサイトの話なので、まあいいだろう。エロサイトも「エッチなホームページ」と言うと可愛げが出るだろうか。

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別に酔ってはいません。半年酒を飲んでいない。

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数年来陰毛を剃っているのだが、銭湯の男風呂などではほとんどそういう人を見ない。ずぼらなので、楽だと思うのですが。金があれば流行の脱毛をしようと思う(さらにずぼらが加速)。

…結局美容商法にはまりそうな感じだ。

ちなみに、銭湯でそのことで話しかけられたことは一度しかない。おっちゃんに理由を問われて答えたら「そう」と言われただけだった。それくらいのことなのである。

 

省略 (2015年10月23日)

本日も写真から。

成人式予約受付中

うーん、車から見た時は何だか怖かったような記憶があるのだが、近づいて撮ってみたらきれいな女性だ。

しかし笑顔でキャピキャピしていないところがいい。

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グラデーションのことを「あー、このグラデュエーションがきれいでいいね」などと言っている人がいた。英語が得意なのか不得手なのかわからない。

しかし僕もJSON(ジェイソンと読む。パソコン用語)を平気で「ジェイエスオーエヌ」などと読んでいたので何も言えない。

英語の省略の仕方というのはなかなかつかみがたいものがあって、実際にむこうの人も迷うようで、例示したサイトもあるくらいだ。たとえばエクセルのREPT関数は「リピート」と読む。文字列をくり返す関数で REPEAT だが(二文字だけ略すんだ)と思った。AVERAGEIFS などと長い名前の関数がある今はよく分からなくなっている。

HTMLなんかでも、src が「ソース」(source)などというのは外国人にはなかなか分かりづらい。

そういえば、大学の時の先輩で当時大学院にいた女性がメールで「それでEですか?」などと書いてくるので大いに戸惑った。せいぜい三つか四つ上なので、今でも三十くらいだからその世代ではないだろう、と思う。どこかの病院でマウスをつっついているという話は聞いたが、その後どうしていらっしゃるかは存じ上げない。

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成人式からグラデーションの話に飛んだのは、携帯電話の写真一覧がこんなことになっているのを見たからだ。

写真一覧

ポケットのなかでスイッチが押されてしまっているようだ。

 

本籍 (2015年10月24日)

たまに、どこを本籍にしようか考える。

伊豆大島もいい。アジコノナホウあたりだろうか。しかし一度行っておかないと失礼な気がする。

大阪城などを本籍にしている人は多いというし、政治的な意図で変える人もいるだろう。

ノンポリとしては出来るだけニュートラルなところにしたいが、住所のない所を本籍にはできないので架空の場所ではだめだ。どんな土地にも物語がある。

むしろ新興住宅地などを本籍にしてしまうのも良い。みらい平とか、そんな今風の地名。しかしそのうち物語ができるだろう。もうできているかもしれない。

僕は結婚しないから、近いうちに分籍して一人の戸籍にしようと思う。

日本列島ダーツの旅の要領で頻繁に本籍を変えるのも良い。役所の戸籍係に嫌われるだろうが。

そして郵送で戸籍謄本を送ってもらって、その封筒からかすかなかすかなその土地のにおいを集めるのだ。

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用があって八戸に電話したら、はじめに取った方は東京アクセントだったが、担当につながるとご当地の言葉が聞けて嬉しかった。東京からと分かっているから気を遣って分かるように話してくれているのだろうが、しかしいつもの調子があるのだろう。

どうもそういうのに弱いようだ。

 

混凝土 (2015年10月24日)

珍しく一日二度更新。こういうことをしているときは作業が詰まっている時だ。

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このくらいの気温の時は、だれもいない深夜に外に出て涼しさというか寒さを感じるのが良い。空気が澄んでいる気さえするから不思議なものだ。

子供の頃、アパートの共用の廊下のコンクリートの床に夜、寝そべるのが好きだった。体にたまった余計な熱が引いていくような気がした。アスファルトではもちろんだめである。

今でもやりたいのだけれど、このあたりは割と夜でも人が通るのだ。

ぽつんぽつんと点く白い灯りを見つつ、普段は聞こえないかすかな列車の音を聞きながら、なめらかな灰色のコンクリートにまた転がってみたいものである。

 

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作成:とね(info アットマーク yuzamashi.net)