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スポーツ (2012年1月7日)

本年もよろしくお願いいたします。

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戸別勧誘の人と話をするのが苦手である。この間は光回線の勧誘の人に適当な返事をしていたら、「僕のこと嫌いなんでしょう」と言われた。

新聞の勧誘は、なんだかもうどうでもよくなって契約した。「うちと契約してくれれば、他の新聞から勧誘されずに済むしさ」というのが、かえって清々しかった。そのときもらった発泡酒はまだほとんど消化できていない。

それにしても、「高級紙」だの「大衆紙」だのの区別は誰が決めているのだろう。ニュースなどでも「フランスの大衆紙」なんて紹介している。

…「フレンチ東スポ」と言いたいがためにかなり費やしてしまった。

「トーストとコーヒー」のコンビも、「東スポとコーヒー」のコンビも、それぞれ相性抜群。東スポの創刊は1960年だそうだから50年以上、聞き間違えてしまったウェイター・ウェイトレスさんは何人いるだろう。

皮 (2012年1月15日)

高校生が駅で「成田エクスプレスがヤラシイ」と言って盛り上がっていた。成田エクスプレス略して NEX。揃いも揃って成田エクスプレスに乗るような豪奢な生活をしているのか。

「携帯電話の電源を切れ」というピクトサインの携帯電話は大抵アンテナがついたやつで、折りたたみ型ではない古い形だ。きっとアンテナなしだと携帯電話だということが分からないからだろう。今風のを簡略化したらリモコンや電卓でもおかしくない絵になるし、パネルタッチの携帯電話だと、ただの角丸長方形である。…保存のアイコンがいつまでもフロッピーディスクの形をしているようなものか。

何だか、よく言われる話を書いてしまった気がするので、駅の話をもうひとつ。

ホームで長身のOLらしき風体の人が立ってバナナを食べていた。かばんの中から生のまま取り出して、皮をむいてもぐもぐ食べる。皮が茶色くなっているのが何だかリアルだった。家を出るときに慌ててポキっともいで来たのかな、などと勝手に思う。食べ終わった後の皮をどうするのかと思って(かばんに戻すのも気持ち悪いだろうし)ぼんやりと見ていると、配管同士をつなぐちょっとした金具にヒョイと引っ掛けて知らん振りをしている。ゴミ箱を探すでもなく、きょろきょろするでもなく、堂々としていて動作も自然なのが印象的だった。普段からそうしているのだろうな、と思わせる所作だった。

その後たまたま読んだ『阿房列車』にもバナナを食べる人のことが出ていた。昔の列車で向かい合わせの席。おばちゃんがバナナを食べ、皮を座席の下に放り捨てていたという描写である。きっとその人は普段から外でバナナを食べると皮をその辺に放っていたのだろう。

「バナナの皮で滑って転ぶ」というのは定番のトホホだが、今ひとつ現実味がないような気がしていた。一度転びかけたことがある位だ。しかし、ある頃までは日常茶飯の危険だったのかもしれないし、あるいは今でもそうなのかもしれない。僕はバナナをほとんど食べないので、バナナは何だか非日常の食べ物のような気がしている。どうしよう、バナナに縁の深い生活をしている人のほうが大勢だったら。共感を得られない的外れなことを書いているのではないか、という気さえしてきた。…成田エクスプレスに乗ったことがないのは僕だけなのか。

こけた (2012年1月20日)

子供のころ、大阪じゃんけんをたまにやった。「大阪じゃんけん負けたら勝ちよ」というやつである。関東の人がやればサマになるが、当時は三重県に住んでいた。三重県の言葉は関西のイントネーションだし、大枠で見れば大阪は近い。

しかしまあ、微妙なことには変わりない。テレビは名古屋の局が映る。「中部」と「近畿」に分ければ「近畿」に入るが、「東海三県」と言えば「東海」に入る。じゃあ何じゃんけんをすればいいのかというと、それはわからない。

普通のじゃんけんのかけごえは「じっ・けっ・た」だった。あいこのときは「こ・け・た」。

アルファーブラボー (2012年1月23日)

普段市販のお菓子を食べないような、お金持ちの子供がいた。A君としよう。お菓子といえば高級店のものか、家の料理人が作るものか、たまに母親が趣味で作るものだった。

そんなA君も学校へ上がると行事に参加しなければならない。行事が終わって、PTAの人たちがお菓子を配った。中にミルキーが何粒か入っていた。級友B君が「A君、ふだんこんなの食べないだろ、どう?」と聞くと、A君「うーん、まあまあの味だね。」

…「ミルキーはママの味」というコピーはこうして出来た。やり取りを聞いていた保護者の一人がコピーライターで、聞き間違えたのだった。

と、いうのは適当にでっち上げた嘘で、本当はこうだ。(「ミルキー資料館」http://fujiya-milky.com/shiryou/tanjou.html

くだらないダジャレに向かって話をひっぱるのは申し訳ないと僕も思っている。

ともあれ、たまにしか食べない市販のお菓子のおいしさにウキウキしながらも、遠目で苦々しくAB両君をにらむ子供たちが背後に何十人かいることを想像して下さったものと信じたい。


さいでんなあ、ほうでんなあ (2012年1月28日)

数日前、東京でも少し積もるくらいの雪が降った。雨が夜更け過ぎに雪へと変わった(こう書いている人は多そうだ)。

長靴を履いて外に出てみると、夜中なのに明るいのが妙な感じだった。とたんに、甘い缶コーヒーを買って飲むことがこの上もなく尊いことのような気がして、そうした。

缶コーヒーを買ってそのまま散歩でもしようかと思ったが、きっとわくわくした感じよりも辛さが勝るだろうと思って、そのままアパートへ引き返した。ふと振り返ると、自販機に向かってフラフラ往復した記録が雪上に残っている。急に恥ずかしくなった。

二口くらいで缶コーヒーを飲んだ。


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作成:とね(info アットマーク yuzamashi.net)